あなたに愛されたい…青い空から舞う桜…
「 間に合ったか 」

考ちゃん…

『 えー何とか 』

考ちゃんは私の隣窓際の席にすっと座わり、スタッフが飲み物を運んでくる。冷たいウーロン茶を一口ゴクリ。


自分の心臓の鼓動が段々と早くなってくる。

さっきまでゆるやかな時間の中にいたのに…

今は心臓がさっきよりも暴れ出してきた。

「 これで、大切な話が出来るな… 」

どういう意味…お父さんから大切な話…

少し指を伸ばせは触れる距離

『 そうですね、その前に桜誕生日おめでとう! 』


え?!誕生日!あれ!

『 もしかして自分の誕生日を忘れていたのか? 』

あれ、私、スマホを出して今日の日付を確認する。今日は…私の誕生日、ここ数年忘れていた。


『 やっと桜におめでとうと言えたわ 』

お母さん…


『いつも仕事、仕事で』理由で会えなくて寂しかったと母に言われてしまった。


ごめんなさい

「 俺からの誕生日プレゼントだ 」と言いながら考ちゃんが私の左手薬指に一瞬冷たい。

よく見ればシンプルなゴールドの指輪。

…どういうこと、指輪!?……

なんの意味、それも薬指。

心臓の音がイヤな音をあげる。

『 ………さ、く、に…… 』

お父さん?!今なんて…!

私が考ちゃんの秘書!!!

驚きを隠せない私に考ちゃんはスット一枚の紙を出してきた。

初めて見る、婚姻届、そこには考ちゃんのサイン済。


何を言わるているのか分からない、今日、私の誕生日だよね…

もうダメだ、私はすっと意識を手放した。











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