あなたに愛されたい…青い空から舞う桜…

春の優しい風と、強い風

あれから二ヶ月、就活で中々決まらない中やっと入社出来た会社。

最初は食品会社の良さ分からず、溜息ばかりの日々、でもやっと企画を任されこれから頑張ろうと思っていたのに。

自分で立ち上げた企画は結局最後まで、出来なかった。

それだけは…辛かったなぁ…

今は熱が出そうなくらい頭がフル稼働中。

全然知らない世界、知らない用語。

病院では考ちゃんとは呼ぶことは出来ない、まぁ…もとから甘えるつもりもないけど。

でも世界が違い過ぎる。

考ちゃんには優秀な秘書の男性がいたが、秘書をまとめる役目に昇格。

同じ職場、同じ部屋、もうイヤ!

病院でも、家でもすれ違いは多いけど、考ちゃんが身近に感じて心が潰れそう。

でも顔になんか出すもんか!

いろんな意味で意地にもなる。

時々逃げたしたくもなる、たまに甘い顔を私に魅せるからだ。

妹にそんな顔しないでよ…

心の中でため息と、嬉しさと、厳しい顔の後にふっと柔らかい甘い顔。

大きな手が優しく私の頭を撫でる、ここ病院ですが!二人きりだけど、私からその手を掴みたくなってくる。

私は紙の中では妻だから…


婚姻届は考ちゃん一人でお願いした。

ねぇ…聞きたい、例え少しでも女性として妻として見てくれますか?

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