あなたに愛されたい…青い空から舞う桜…
私は安全に救急車が駐車場へ入れるように、正面入口へ誘導する。

ロビーへ救急隊がかけつけ、そこには新藤先生がいた。

私を見て一瞬ビックリしていたが、直ぐに救急隊と言葉を交わし、札幌総合病院が受け入れられるとのこと。

新藤先生ともう一人の医者が救急車に乗り込む。

私は社用車でお客様とホテルスタッフをもう一人乗せ病院へ向かった。

新藤先生は救命医に後を任せ、診察室から出てくる。

まさかここでもう会うこともないと思っていたのに。

目と目が会う…

先に言葉を発したのは私、今は妹ではないあくまでもホテルスタッフの立場を忘れてはいけない。

「ありがとうございました、改めてお礼と謝罪をさせて頂きます」

救急入口にタクシーを待たせ、新藤先生ともう一人の先生をホテルまでお願いした。

私は残り、スタッフに社用車でお客様をホテルへ。

ギリギリの所でお客様の命は助かった、これも新藤先生のおかげだ。


今頃ホテルの部屋で食事を取っているころだろう。

お客様は看護師に任せ、私もタクシーで自分のアパートへ帰った。

部屋に入った瞬間に全身の力が抜け、そのまま意識を手放した。

明日が休みで良かった。

きっと会わない。
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