あなたに愛されたい…青い空から舞う桜…

春はどこへ…1

☆☆☆

私の記憶…笑顔あふれて、家族に愛され育ってきた。

毎日が楽しくて両親も考ちゃんも優しくて、この家に生まれたのが幸せだった。

でも、口の軽い人は世の中にいる。

知りたくもないことを、子供だからと理解出来ないだろうと…

分からなくても何か一瞬でパリンと音がした。なんだろう…

私は剥がれ落ちそうな所に必死に絆創膏を貼り続けて、貼って、貼って…

意味を理解出来る年齢になったとき、泣けない自分がいた。

桜が舞う季節…


考ちゃんへの思いも気づいてしまった、花びらとともに風に吹かれて飛びたいと願い。


私は逃げた…


寮のある高校を選択して、家族を説得し、まぁ…考ちゃんが最後まで納得してくれなかったけどね…

でも考ちゃんだって医者になるために、留学とかしたし。

それから先は必死にだったなぁ…

記憶も曖昧で。

両親もいまだ、私を何故家族に迎え入れたのか話してくれない。だからなんとなくあえて私も聞けない…恐い思いもある。


私が知っているとしったら何かが壊れそうで…情けないけど…両親も考ちゃんも大好きだから。

考ちゃんの妹は捨てたくない…これも素直な気持ち。

細い、細い糸のような関係だけど…

もう少しこのままで…
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