次は嘘がなくても、一緒に帰るから
正面玄関に行くと、青野くんとばったり会った。

私は慌てて、靴箱の影に隠れる。

それでも、部活終わりに好きな人に会えたのが嬉しくて、つい心が浮かれてしまう。

話しかける?

でも、緊張するし……


「依田?」


「わっ!」


急に青野くんに声をかけられて、私は飛び上がった。

「ごめん、驚かせちゃった?依田も部活終わりだったんだ。サッカー部も雨で中止になっちゃってさ」

「あ、テニス部も一緒……!」

青野くんと話しながら、私は靴を履き替える。

そして、傘立てから自分の傘を取った。
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