次は嘘がなくても、一緒に帰るから
「青野?」

急に後ろから声がして、私達は振り返る。

後ろには青野くんの友達が立っていて、青野くんに話しかける。



「青野も部活で高校来てたんだ。ていうか、入れて貰ってるってことは、傘忘れたの?いつも、折り畳み傘持ってるのに」



青野くんの友達がその言葉を吐いた瞬間、青野くんが固まった。

その表情を見て、青野くんの友達も察したようで。

「あ、いや……忘れる時もあるよな」

気まずい雰囲気のまま、青野くんの友達は足早に去っていった。

それでも、私の心臓はおかしいくらい速く動き始めていた。

この状況で期待しない方が無理で。

嬉しくない訳がなくて。

でも、何故か泣きそうで。
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