愛する婚約者を守るために頑張る公爵令嬢は、未来に絶望しない
私の頬には涙が伝い、まさに夢の通りだった。


「ルイズ様、しっかりと説明して下さい。お願いです、どうか……」

「これ以上、予知夢の通りには絶対になりたくない……!」


ポロポロと涙を流し、震えた声で話す私を、ルイズ様はただただいつもの優しい顔で見つめていた。



「リーシア……いや、リーシア・ヴァルトール。ヴァルトール家の予知夢には秘密があるんだ」



「秘密……?」



「元々、ヴァルトール家の予知夢は確実ではなかった。そして、【今も】。起きる可能性が高い未来の夢を見るんだ」

「ヴァルトール家の初代は初めこそ、予知夢を防ぐために全力を尽くした。しかし、【予知夢は起きなければ、予知夢ではないんだよ】」



「どういうことですか……?」
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