愛する婚約者を守るために頑張る公爵令嬢は、未来に絶望しない
ヴァルトール公爵家……つまり、私の家系は【予知夢】を見る。
そして、予知夢で災害やこれから起こる悲劇を事前に王家に伝え、そして【備《そな》える】ことで地位を確立してきた。
私も見た予知夢は必ずお父様に報告して、王家に伝えてきた。
そう、【備える】のだ。【防ぐ】のではなく。
つまり、ヴァルトール公爵家の予知夢は、【必ず起こる】。
さらに呼吸が速くなっていくのをなんとか整えようとしながら、私は思考を巡らせた。
今すぐにでも、婚約を破棄しよう。
落ち着くのよ、私。
私はルイズ様の首にナイフを刺す【数秒前】のような様子だった。
【刺す】瞬間の予知夢を見たわけではない。
まだ防げる。
いや、防ぐしかないの。
そう決意した翌日の夢は、私を絶望させるには十分すぎるほどだった。
倒れるルイズ様の隣で、死んだような顔の私。
ルイズ様の息は【もう無かった】。
目が覚めて、数秒……
「いやぁああああああああ!!」
私の泣き叫ぶような悲鳴が、部屋に響き渡った。
愛する婚約者を自らの手で刺してしまうという事実は、私が絶望するには十分で。
そして、予知夢で災害やこれから起こる悲劇を事前に王家に伝え、そして【備《そな》える】ことで地位を確立してきた。
私も見た予知夢は必ずお父様に報告して、王家に伝えてきた。
そう、【備える】のだ。【防ぐ】のではなく。
つまり、ヴァルトール公爵家の予知夢は、【必ず起こる】。
さらに呼吸が速くなっていくのをなんとか整えようとしながら、私は思考を巡らせた。
今すぐにでも、婚約を破棄しよう。
落ち着くのよ、私。
私はルイズ様の首にナイフを刺す【数秒前】のような様子だった。
【刺す】瞬間の予知夢を見たわけではない。
まだ防げる。
いや、防ぐしかないの。
そう決意した翌日の夢は、私を絶望させるには十分すぎるほどだった。
倒れるルイズ様の隣で、死んだような顔の私。
ルイズ様の息は【もう無かった】。
目が覚めて、数秒……
「いやぁああああああああ!!」
私の泣き叫ぶような悲鳴が、部屋に響き渡った。
愛する婚約者を自らの手で刺してしまうという事実は、私が絶望するには十分で。