愛する婚約者を守るために頑張る公爵令嬢は、未来に絶望しない
「誰も、【王家すらも】、予知夢を防いでしまえば、その未来が本当に起こる可能性があったのかすら分からない。それでは、【ヴァルトール家は褒賞を貰えない】。【ヴァルトール家は地位を確立出来ない】」
「だから、ヴァルトール家の先代は、予知夢を【わざと】起こすことにしたんだ。【防ぐ】のではなく、【備える】ことしか出来ないことにして。そうして、【起こりやすい未来】を【絶対に起こる未来】に変えた」
「元は起こる確率の高い未来だ。わざと起こすことも簡単だっただろう。防ぐよりずっとね。そして、自身がわざと起こすことの出来ない未来は、始めから王家に申告しないことにしたんだ」
「そして、そのやり方を次の世代にも踏襲させていった」
「そんな……!」
「そして、王家はそれに気づいた。なぜなら、このやり方では【一度でも申告した予知夢を起こせなければ、嘘だとバレる】。君の両親はミスをした。王家はヴァルトール公爵家の人間【全て】を処罰するつもりだ。もちろん、リーシアも」
「だから、俺は証拠の書類をまとめ上げた。この証拠書類と引き換えに、何も知らなかった【リーシアの減罰を求める】」
「しかし……!」
「君も殺されるかもしれないんだぞ!俺は、それだけは絶対に……!」
「リーシアは俺を殺した後の夢も見た。つまり、先ほど俺を殺していた可能性だって高かった。しかし、君は俺を殺さなかった」
「この証拠書類を出せば、君の両親の処刑は確実になる。しかし、出さなくても処刑されるだろう」
「リーシア、分かってくれ」
ルイズ様の目に涙が浮かぶ。
「だから、ヴァルトール家の先代は、予知夢を【わざと】起こすことにしたんだ。【防ぐ】のではなく、【備える】ことしか出来ないことにして。そうして、【起こりやすい未来】を【絶対に起こる未来】に変えた」
「元は起こる確率の高い未来だ。わざと起こすことも簡単だっただろう。防ぐよりずっとね。そして、自身がわざと起こすことの出来ない未来は、始めから王家に申告しないことにしたんだ」
「そして、そのやり方を次の世代にも踏襲させていった」
「そんな……!」
「そして、王家はそれに気づいた。なぜなら、このやり方では【一度でも申告した予知夢を起こせなければ、嘘だとバレる】。君の両親はミスをした。王家はヴァルトール公爵家の人間【全て】を処罰するつもりだ。もちろん、リーシアも」
「だから、俺は証拠の書類をまとめ上げた。この証拠書類と引き換えに、何も知らなかった【リーシアの減罰を求める】」
「しかし……!」
「君も殺されるかもしれないんだぞ!俺は、それだけは絶対に……!」
「リーシアは俺を殺した後の夢も見た。つまり、先ほど俺を殺していた可能性だって高かった。しかし、君は俺を殺さなかった」
「この証拠書類を出せば、君の両親の処刑は確実になる。しかし、出さなくても処刑されるだろう」
「リーシア、分かってくれ」
ルイズ様の目に涙が浮かぶ。