愛する婚約者を守るために頑張る公爵令嬢は、未来に絶望しない
しかも、一度ではなく何度も。


「んっ……!急に何をするのですか!」


「可愛い婚約者に口付けて、何が問題あるの?ねぇ、リーシア」


「っ!いい加減にして下さい!婚約破棄をして下さいませ!」

「リーシアは絶対に他に好きな人など出来ていない。どれだけ一緒に過ごしてきたと思ってるんだ。それくらい分かる。でも、婚約破棄を告げるほどの出来事が起きたのが事実だろう」


ルイズ様が私をソファに押し倒す。


「だから、教えて欲しい。お願い、リーシア。必ず力になると誓うから、俺を頼って。一人で抱え込まないで」


私はどれほど優しい婚約者を持ったのだろう。

こんなに優しくて魅力的な人を愛さないなんて無理だった。

だからこそ、尚《なお》のこと苦しいのだ。

この優しい人を私はいつか殺すのだ。

それだけは絶対に嫌だった。
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