愛する婚約者を守るために頑張る公爵令嬢は、未来に絶望しない
「詳しいことは言えませんわ。それでも、ルイズ様を守るためなのです。どうか、分かって下さい」

「俺を守る?つまり、リーシアは俺のために婚約破棄を申し出たの?」

「ええ」

ルイズ様が私を押し倒したまま、顔をさらに私に近づける。


「じゃあ、それは間違いだよ。リーシア」


「え……?」


「俺は君と婚約破棄をすること以上に傷つくことなんてない。俺の幸せはリーシアと共にあるんだ。リーシアが何かと戦うと言うのなら、俺も共に戦おう」


「っ!」


それでも、言えるはずなどなかった。

言葉に詰まり、涙を堪える私を見て、ルイズ様は苦しそうな表情に変わる。
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