愛する婚約者を守るために頑張る公爵令嬢は、未来に絶望しない
「リーシア、そんなに俺は頼りない?」

「そんなはずありません!……ただ……」

私の手は震え始めていた。


「リーシア、何がそんなに怖いの?」


その瞬間、ルイズ様が何かに気づき、私にさらに顔を近づける。


「リーシア、目にクマが出来てる。眠れてないの?もしかして、予知夢で何か見た?」


ヒュッ、と喉が鳴ったのが分かった。

貴族であれば、ヴィルトール公爵家が予知夢を見ることを知っている。


「あ……」


言葉に詰まり、震え始める私をルイズ様は優しく抱きしめて下さる。


「大丈夫だよ、リーシア。大丈夫だから」


そう言って、ルイズ様は優しく頭を撫でて下さる。

「そうか。きっと俺のことを予知夢で見たんだね。そして、それにリーシアも関わっている」

ルイズ様は自身のことで恐ろしい予知夢を私が見たと悟っても、いつもの優しいルイズ様のままだった。
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