【短編】ねぇ…キスして?
慧と逢ったあの日から

慧は忙しくなって

逢えなくなった。




本当に忙しいのかな?



もう…私に飽きたのかな?



不安になるよ…。



最後だから

早く来てくれたの?



メールが届く度に

慧からじゃないかと

期待してしまう。





会えないのがわかってるから


『会いたい』


言いたいけど


言えない。




待つだけしか出来ない。





彼女が出来たのかな?



――…苦しいよ。



「真音~

考えてくれた?」



そんな恩田の声で現実に戻る。




『…何が?』



「だから、クリスマス」



あっ…忘れてた。



あれからも恩田があまりに普通だったから…。



「忘れてたのかよ?」



『ごめんね?』



ヘラ~っと笑った私に

恩田はガックリと肩を落とした。



「俺、やっぱ脈なし?」



『恩田の事は友達としか思えない』



「そっか…。

後から後悔しても知らないからな」



そう恩田が笑ってくれるから

恩田に笑顔を返せれた。





恩田…ごめんね。



恩田と居れば


大切にして貰える


わかってるんだけど…


私が好きなのは



やっぱり





唯一人なんだ…。


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