【短編】ねぇ…キスして?
「真音~
慧さんといい加減ちゃんとしなよ?」
『え~あはは』
合コンを主催してくれた
親友の詩歌。
お互い音楽に携わる名前がついてる事で
仲良くなった1番の親友。
詩歌の彼氏は慧の後輩で
23歳の社会人。
2人が慧に出逢わせてくれた。
全てを知っている詩歌は
いつも私の心配をしてくれてる。
「あのさ~もうすぐクリスマスなんだよ?
せっかくのクリスマスなのに…。
ちゃんと約束とかしてんの?」
そんな約束してる訳ない…。
慧は仕事が忙しいし
いつも会えるのは急で
慧の仕事次第。
それでもいいんだ。
会えるのが嬉しいから…。
切なくて苦しいけど
会いたい。
「はぁ~。
勿体無い。」
詩歌が呆れたように呟く。
「何々、真音って
クリスマス予約なし?」
『うっさいよ、恩田』
「ひっでぇなぁ。
何で真音はこんなに俺が想ってんのに
俺を選ばないんだよ~。
俺にしとけって?」
『はいはい、
もう聞き飽きた。』
「恩田~
あんたも懲りないねぇ」
「ってか
俺、本気なんだけど~」
『どんまいっ』
「本人が言うなぁ」
詩歌と顔を見合わせて笑うけど
恩田は不機嫌そうにブツブツ言ってる。