【短編】ねぇ…キスして?
待ち合わせまで1時間。


取り留めのない会話。



「なぁ、真音は

そんなにそいつの事が好きなのか?」



急に問いかけられた質問に


胸が大きく高鳴った。




『うん』



「そいつはちゃんと真音の事好きなのか?」



『わかんないよ』



「じゃあさ

本気でクリスマス

俺と過ごさないか?」




『―――えっ?』




いつもは見た事の無い恩田の真剣な顔。



「もしそいつと過ごせないなら

俺と過ごしてくれ。


そいつと過ごすなら…


俺は真音の事、諦める。


ただの友達に…戻る。」




―――恩田。



本気だったんだ…。




いつも軽い口調だから


茶化すようだったから


軽く受け流してた。




そんな真剣な恩田に返事が出来なかった。




「おっ、時間大丈夫か?」




えっ?


―――嘘。



時計は待ち合わせの時間を

7分過ぎていた。




「行かせたくねぇけど

返事待ってるから…。」




『うん』




それしか言えず

そのまま、2人で店を出て

慧との待ち合わせ場所に向かった。



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