エイプリルフールの前日、君に大好きと伝えたい。
元々、今日は、翔琉の家で夜中まで一緒にゲームをする予定の日だ。
今日、翔琉に告白して、結果がどうであれ、私のことを女の子としてみてもらえるようにしたい。
現在の時刻は16時25分。
ゆるっとした可愛い部屋着に、ナチュラルに盛ったメイク、サラサラにおろした髪の毛。
いつものリュックに、タオルとスキンケア用品を入れる。
翔琉の家に遊びに行くのは久しぶりだけど、毎回泊まっていくことが多い。
『美奈、遅くね?笑』
ピコンという着信音とともに、表示されたメッセージは、翔琉から。
美奈は私の名前だ。
……こいつ、私が自分を好きだなんて、思ってもいないんだろうな……。
ちょっと不満に思いながら、『すぐ行く!』とメッセージを送る。
居心地のよい友達関係は、今日で終わり……。
私は、少し緊張しながら、翔琉の家のインターホンを押した。