このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
昨夜、イリヤには聖女の身代わりを頼んでしまった。もちろんイリヤは動揺してあたふたし始めたのだが、それよりも隣から助けを求める声があがった。
よくわからないが、マリアンヌが大泣きして暴れていた。魔力が暴走して、部屋中のものをひっくり返していた。
すぐさまイリヤはマリアンヌの元へと向かったのだが、そのとき、マリアンヌの魔力を抑えるために、イリヤもだいぶ魔法を使ったようだ。
マリアンヌがぐずぐず言いながら眠り、部屋を元通りにしたときには、イリヤもぐったりとして自力で歩くのもままならない状態であった。それをクライブが抱き上げて、部屋にまで運んできたわけだが。
「わ、私。マリアンヌが心配なので、様子を見てきます。聖女身代わりの件は……少しだけ考えさせてください」
「ああ。イリヤが引き受けてくれるのであれば、もう少し詳しい話をする。だが、無理してまで引き受ける必要はない」
「……はい」
寝台からしゅるっと下りて部屋を出て行く彼女の背を見送った。
*~*~*
ドキドキする心臓をおさえるように胸に手を当ててから、イリヤはマリアンヌの部屋へと向かう。
「おはようございます、奥様」
扉を開けると、すぐさまナナカがイリヤに気づき、笑顔で挨拶をする。
「おはよう、ナナカ。このような格好でごめんなさい。マリーは?」
「あ~だ~」
よくわからないが、マリアンヌが大泣きして暴れていた。魔力が暴走して、部屋中のものをひっくり返していた。
すぐさまイリヤはマリアンヌの元へと向かったのだが、そのとき、マリアンヌの魔力を抑えるために、イリヤもだいぶ魔法を使ったようだ。
マリアンヌがぐずぐず言いながら眠り、部屋を元通りにしたときには、イリヤもぐったりとして自力で歩くのもままならない状態であった。それをクライブが抱き上げて、部屋にまで運んできたわけだが。
「わ、私。マリアンヌが心配なので、様子を見てきます。聖女身代わりの件は……少しだけ考えさせてください」
「ああ。イリヤが引き受けてくれるのであれば、もう少し詳しい話をする。だが、無理してまで引き受ける必要はない」
「……はい」
寝台からしゅるっと下りて部屋を出て行く彼女の背を見送った。
*~*~*
ドキドキする心臓をおさえるように胸に手を当ててから、イリヤはマリアンヌの部屋へと向かう。
「おはようございます、奥様」
扉を開けると、すぐさまナナカがイリヤに気づき、笑顔で挨拶をする。
「おはよう、ナナカ。このような格好でごめんなさい。マリーは?」
「あ~だ~」