このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
門番に向かって言葉を放つ姿は、凛としていて思わず目を奪われた。話を聞けば、例の求人票を見たと言う。その事実だけで心が跳ねた。
わけのわからない高揚感が襲ってきたが、それを態度に出すようなことはしない。
門番には「今後、不審な者がきたときには、勝手に追い返すことなく連絡をするように」と伝えた。この要望は騎士団にも伝えておくべきだろう。
不審者を入れないのが門番の仕事ではあるが、その不審者の情報を共有しておくのも必要だ。もしかしたら、その者たちが町中で何か問題を起こすかもしれないし、そのための下見かもしれない。
とにかく、偶然が重なった結果、クライブはイリヤと出会えたのだ。いや、偶然ではなく運命にちがいない。
わずらわしいと思っていた女性の存在が、心強いと思ったのも初めてであるし、だからこそ彼女を知りたい。
だけど、そんな彼女はなかなか手強い。
「陛下、準備が整いました」
神官長の言葉で、クライブもはっとする。
これから、聖女召喚の儀が行われる。
本来であればひっそりと行うこの儀式だが、口うるさい奴らを黙らせるために、儀式を行うことを通知した。だから別室では、そんな口うるさい彼らが待っている。
召喚の儀が行われるこの部屋に、他の者がいないことも確認してもらった。疑心暗鬼になっているような彼らは、召喚して現れた人物ですら「聖女ではない」と言いかねないからだ。ただこの狭い部屋に、多くの人々を立ち合わせるのは難しい。
わけのわからない高揚感が襲ってきたが、それを態度に出すようなことはしない。
門番には「今後、不審な者がきたときには、勝手に追い返すことなく連絡をするように」と伝えた。この要望は騎士団にも伝えておくべきだろう。
不審者を入れないのが門番の仕事ではあるが、その不審者の情報を共有しておくのも必要だ。もしかしたら、その者たちが町中で何か問題を起こすかもしれないし、そのための下見かもしれない。
とにかく、偶然が重なった結果、クライブはイリヤと出会えたのだ。いや、偶然ではなく運命にちがいない。
わずらわしいと思っていた女性の存在が、心強いと思ったのも初めてであるし、だからこそ彼女を知りたい。
だけど、そんな彼女はなかなか手強い。
「陛下、準備が整いました」
神官長の言葉で、クライブもはっとする。
これから、聖女召喚の儀が行われる。
本来であればひっそりと行うこの儀式だが、口うるさい奴らを黙らせるために、儀式を行うことを通知した。だから別室では、そんな口うるさい彼らが待っている。
召喚の儀が行われるこの部屋に、他の者がいないことも確認してもらった。疑心暗鬼になっているような彼らは、召喚して現れた人物ですら「聖女ではない」と言いかねないからだ。ただこの狭い部屋に、多くの人々を立ち合わせるのは難しい。