このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
わけのわからない焦りが、イリヤを襲う。
「……おい」
「は、はい」
イリヤは背筋を真っ直ぐにして返事をした。
騎士は、威圧的にじろじろとイリヤの顔をのぞき込む。
「これの、どこが求人票だ? もしかして、国王陛下の懐に入り込もうとしている娼婦か? 間諜か? ああ??」
門番の騎士は、一気に柄の悪い騎士になった。完全にイリヤは不審がられている。
だけど、求人票も紹介状も本物である。
「紹介状、確認してください。ケノン職業紹介所って書いてありますよね? 本物ですよ。疑うならケノン職業紹介所に確認してください」
「まぁ、紹介状は本物だと仮定してもだ。この求人票は許せないな」
「え? なんで?」
カミラは、求人は決まっていないと言っていたし、紹介所で管理している帳簿にも求人は載っていたはず。
「なんでじゃねぇよ。こんな白紙を見せつけて、求人募集で来ただなんて。もう少し、頭を使えってんだ!」
「は?」
白紙と言われるのがわからない。
「ちょっと、その求人、見せてください。どこが白紙なんですか!」
「お前の眼鏡、曇ってんじゃねえのか?」
柄の悪い門番騎士は、イリヤをとことんバカにしてくる。眼鏡をかけていないことくらい、見た目でわかるだろうに。
「私は裸眼です。見てわからないんですか? あなたのほうこそ、その目、節穴なんじゃないの?」
「……おい」
「は、はい」
イリヤは背筋を真っ直ぐにして返事をした。
騎士は、威圧的にじろじろとイリヤの顔をのぞき込む。
「これの、どこが求人票だ? もしかして、国王陛下の懐に入り込もうとしている娼婦か? 間諜か? ああ??」
門番の騎士は、一気に柄の悪い騎士になった。完全にイリヤは不審がられている。
だけど、求人票も紹介状も本物である。
「紹介状、確認してください。ケノン職業紹介所って書いてありますよね? 本物ですよ。疑うならケノン職業紹介所に確認してください」
「まぁ、紹介状は本物だと仮定してもだ。この求人票は許せないな」
「え? なんで?」
カミラは、求人は決まっていないと言っていたし、紹介所で管理している帳簿にも求人は載っていたはず。
「なんでじゃねぇよ。こんな白紙を見せつけて、求人募集で来ただなんて。もう少し、頭を使えってんだ!」
「は?」
白紙と言われるのがわからない。
「ちょっと、その求人、見せてください。どこが白紙なんですか!」
「お前の眼鏡、曇ってんじゃねえのか?」
柄の悪い門番騎士は、イリヤをとことんバカにしてくる。眼鏡をかけていないことくらい、見た目でわかるだろうに。
「私は裸眼です。見てわからないんですか? あなたのほうこそ、その目、節穴なんじゃないの?」