このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
マリアンヌの離乳食も進んでいて、今では自分で掴んで食べようとする。そうやって彼女が食べやすい物を、料理長のジムが考えて用意してくれるのだ。
「んまんま」
食べ物を掴み、手足をバタバタと振る彼女は、クライブも言ったように機嫌がよい。
「閣下。マリアンヌもそろそろ一歳になるわけですよね?」
「そうだな。誕生日はわからないが……」
「でしたら、マリアンヌが一人歩きした日を一歳の誕生日に決めましょう。今はまだつかまり立ちしかできませんが、そろそろ歩きそうな気もするんですよね」
「わかった。では、マリアンヌが一人で歩いた日をマリアンヌの誕生日にしよう。次の日に、急いでパーティーを開く」
一歳の誕生日。それをファクト家のみなで祝いたいというクライブの気持ちを感じ取った。
「……あっ」
そこでイリヤは思い出した。マリアンヌといえば、忘れてはならない人物が一人いる。しかも、いろいろと厄介な人物である。
「あの……閣下。その……」
イリヤの言葉の先をクライブが奪い取った。
「陛下の件は気にするな。むしろ、アレがいないほうがパーティーも滞りなく進む。終わったところで、オレから伝えるからいい」
どうやら、クライブも同じようなことを心配していたようだ。
「マリー。あなた、本当に愛されているのね」
イリヤは食事中であるのに、マリアンヌをぎゅっと抱き寄せた。
「んまんま」
食べ物を掴み、手足をバタバタと振る彼女は、クライブも言ったように機嫌がよい。
「閣下。マリアンヌもそろそろ一歳になるわけですよね?」
「そうだな。誕生日はわからないが……」
「でしたら、マリアンヌが一人歩きした日を一歳の誕生日に決めましょう。今はまだつかまり立ちしかできませんが、そろそろ歩きそうな気もするんですよね」
「わかった。では、マリアンヌが一人で歩いた日をマリアンヌの誕生日にしよう。次の日に、急いでパーティーを開く」
一歳の誕生日。それをファクト家のみなで祝いたいというクライブの気持ちを感じ取った。
「……あっ」
そこでイリヤは思い出した。マリアンヌといえば、忘れてはならない人物が一人いる。しかも、いろいろと厄介な人物である。
「あの……閣下。その……」
イリヤの言葉の先をクライブが奪い取った。
「陛下の件は気にするな。むしろ、アレがいないほうがパーティーも滞りなく進む。終わったところで、オレから伝えるからいい」
どうやら、クライブも同じようなことを心配していたようだ。
「マリー。あなた、本当に愛されているのね」
イリヤは食事中であるのに、マリアンヌをぎゅっと抱き寄せた。