このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
 明日、魔物討伐のためにミルトの森へ入ることを考えれば、妥当なところだろう。
 クライブがマリアンヌと共に風呂へと入り、こざっぱりしたところで三人は寝台に潜り込む。
 マリアンヌはクライブとイリヤの間で眠っている。あいかわらず、鼻がすぴすぴと鳴っていた。
「……イリヤ」
 クライブの手が伸びてきて、イリヤの背に手を回す。二人の間では、マリアンヌがすやすやと眠っている。
「明日、頼む……」
「はい」
 イリヤは、そっとクライブの腕に触れた。まだまだこの関係を続けていきたいと、心のどこかでそう願っていた。
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