身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「で、日和をぶったのはきみだっけ?」


私を平手打ちした女子の顔が、青を通り越して真っ白になる。


「答えて」


地を這うような一葉さんの低い声に、動揺を隠しきれない彼女たちは、まるでこの世の終わりを目の当たりにしているかのよう。


「だっ……、だって……!」


「だって?」


「お、桜坂さんがいけないんです! あたしたちにひどいことを言うからっ……!」


これ以上一葉さんに嫌われたくないのか、悪あがきをする彼女。


すると、加勢するように他の4人も次々に声を上げた。


「そうですよ! 一方的に決めつけるように暴言を吐いてきたんです!」


「一葉さんも聞いてたはずですよね⁉」


「そうだね。でも、きみたち5人で寄ってたかって、日和をののしっていたのも僕は知っているからね」


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