身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「いや、お詫びって……別にそこまでしなくても……」



たった1度平手打ちされただけで、たいした怪我にはなってないし。



むしろ、これぐらいのことで気を揉まれるどころか、お詫びだなんて……大げさ過ぎる。



「いいから」



「いや、本当に大丈夫ですから!」



「お願い」



本当に遠慮しておきたかったけど、これ以上断っても押し問答にしかならないだろうし、キリがない。



「わかりましたよ……。そこまで言うなら仕方ないですね……」



結局折れた私に、一葉さんはやっといつものようにほほ笑んだ。



「じゃあ、来週の土曜の午後はあけといて。僕と一緒に来て欲しい所があるんだよね」



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