身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「日和、待ってたよ」



「すみません。遅くなっちゃって……」



土曜日の昼下がり。



急いで準備をしてマンションを出ると、エントランス前に一葉さんが立っていた。



もちろん、いつもの黒塗りの高級車も近くに停まっている。



「さあ、乗って」と一葉さんに促されて、急いで車に乗り込む。



後から車内に入ってきた一葉さんがドアを閉めたのを合図にするかのように、車がゆっくりと走り出した。



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