身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
自分の服を脱いで、見繕ってもらった高級品を身につけ、貴重品を新しいバッグに押し込んだ。



「お待たせしました!」



フィッティングルームのカーテンをシャッと開けると、一葉さんとスタッフのお姉さんが迎えてくれた。



「いいね、日和。やっぱり見立てたとおり、似合ってるね」



「そ、そうですか……?」



着替えていた時、フィッティングルームの鏡をじっくり見ていなかったから、褒められてもあんまりピンとこないんだけど……。



「お召し物は、こちらに入れておりますので」



スタッフのお姉さんが、私が着てきた服を紙袋に入れて持って来てくれた。



それを一葉さんが受け取るなり、私の手首をつかんで、軽く引っ張ってくる。



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