身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
というか……、プロにヘアメイクをしてもらうだけで、人ってここまで変わるんだな……。



自分で言うのもなんだけど、なんだか華やかな絵柄の少女漫画に出てくるようなヒロインみたい。



私って、意外とこういうのが似合うのかも。



新たな発見に胸を躍らせながら外に出ると、美容室の出入り口の邪魔にならない所で待っていた一葉さんと目が合った。



「お疲れ、日和」



私に向かって、フッと笑みをこぼす一葉さん。



「すみません。けっこう待ちました?」



「ううん。近くのカフェで時間をつぶしたから大丈夫。それより……」



一葉さんはそこまで言いかけて、すっかりドレスアップした私の頭からつま先までじっくりと眺めると口を開いた。



「いいね。その服も髪型も、日和にすごく似合っててかわいい」



か……、かわいいって……!



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