身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「で……次こそは、一葉さんが言ってた『一緒に来て欲しい所』に行くんですよね?」


訝しむ私に一葉さんは、「ああ」とうなずいた。



「ちょうどこのあたりだね」



「えっ? そうなんですか?」



一体どんな所だろう?



全然外を見ていなかったから気になって、後ろを振り向いて窓の外に視線を寄こすと――……。



「えっ? ホテル……⁉」



「そう。ここで日和に最高の景色とディナーを楽しんでもらおうと思ってね」



私の目に飛び込んできたのは、さんさんと降り注ぐ夕陽を浴びて黄金色に輝く、巨大な高級シティホテルだった。


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