身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
幸いなことに、私には学校に友達がいないから後ろ髪を引かれることなんてないし、
仕事に明け暮れている保護者夫婦は放任主義な上に、頼めばいくらでもお金を出してくれる人たちだ。



その気になればいつだって自由の身になれるんだから、とっととここから引っ越しとくべきだったな……。



ほんの少し後悔しつつも切り替えて、私は急いでplatinumの屋敷を出た。



自宅に帰ってすぐ、引っ越し先をどこにしようかと、街の風景写真や口コミを頼りにスマホで片っ端から調べていると――……。



「……ん?」


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