身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
とりあえず、飲み物だけでも取りに行くか……。



渇いた喉を潤そうと席を立ち上がり、ドリンクバーに向かう途中。


突然、脇腹をつんっと突かれた。



「うわっ⁉」


「緊張でガチガチじゃん。もっと力抜けよ」



いきなり何⁉ って、棗か。



びっくりした……。



「ちょっと、急に変なことしないでよ」



怒る私に向かって、当の本人は、「えー? 俺は緊張をほぐしてあげようと思ったんだけど」と、平然とした口調で言ってのける。



「てか、お前何食うの?」



「とりあえず先に飲み物だけ飲もうと思ったところだけど……って、あんたは何?」


「え?」


「いや、それしか食べないの?」



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