身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。

一葉さんがそう聞くなり、グラスを持った手を私に向かって差し出してきた。



……って、このままグラスを受け取って飲んだら、一葉さんと間接キスするってことだよね？



ただでさえ、さっきからこっちをチラチラ見てくるお姉さんたちの視線を感じてるっていうのに……。



こんな状況で、そんな大胆なことをする勇気は流石に持ち合わせていないってば‼



「いいですっ、いりません！」



ったく、からかってんのか何なのか……。



一葉さんたちに回れ右して、ドリンクバーで適当にジュースを選んだ後。



ビュッフェ台で珍しい料理をあれこれお皿に盛りつけて、テーブルに戻る。