身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「なるほど……」



「どうしたんすか?」



大河が私の顔をのぞき込んできた。



「いや、なんとなく引っかかっていたことなんだけどさ。私たちがはじめて会った時、理音さんが『棗も人間を拾ってくるとはねぇ』って言ったじゃない? あれってそういうことだったんだなーって納得しちゃって」



「まだ覚えてたんすか、それ……」



「仕方ないよ。私の中ではずっと引っかかってたし、詳しく聞こうにも大河が途中で割り込んできたし」



「あれは、時間が押してたから本気で焦ってたんですよ」



「ずいぶんと盛り上がってるみたいだね」


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