身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。

「うっ……！」



急に、後頭部に鈍い衝撃が走った。



「ぐっ……」



頭がズキズキして、足元がおぼつかない。



急に何かで殴られた痛みと気持ち悪さに襲われて、アスファルトの上に崩れるように倒れ込んだ。



『もしもし。日和？』



いつの間にか、手からすべり落ちたスマホから一葉さんの声がする。



きっと、倒れた時に通話応答ボタンを押してしまったんだ。


どうしよう……。



とにかく先に落したスマホをつかもうと手を伸ばしかけたその時。