身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
とはいえ、教室の外で友達を作ろうと思っても、私にはやってみたい部活もないし、ハマっている趣味もない。



高校進学と同時に銀楽街に引っ越したから、休日や放課後に遊んでくれる他校の友達もいない。



同じ家に住んでいるはずの、遠縁の親戚夫婦はワーカーホリックで、ほとんど家に帰ることがなかったから、相談相手もいなかった。



話し相手はいないけど、その分一人でも楽しめる有意義な時間を過ごそうと、休み時間は教室で読書。



休日と放課後は駅近の図書館で過ごすようにしていた。



そんな読書漬けの日々がしばらく続いた、ある日の放課後。


< 185 / 255 >

この作品をシェア

pagetop