身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
――十数分後。
たどり着いたのは、高い鉄格子に囲まれた古い洋館のような大きなお屋敷だった。
車から降りた私は、如月に連れられてお屋敷の中に入ると、1階の奥にあるドアの前に案内される。
『入って』
如月がそう言って、ドアを開けたその時。
『如月さん、お疲れ様です』
広い部屋の両端にずらっと並んだ男の人たちが、直立の姿勢で一斉に頭を下げた。
派手な髪に、着崩した服。
『不良』と呼ばれる男の人たちが、角度をそろえてお辞儀をする様子に、思わず目を疑ってしまう。