身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「日和、起きて」



どこかから、聞き覚えのある声がする。



それにハッと気付いたその時、私の両目をおおっていたアイマスクが力づくではぎ取られた。



真っ暗だった視界が一気に明るくなって、あまりの眩しさに目をぎゅっと閉じる。



「おかえり、日和」



突然、聞き覚えのある甘い声が耳朶(じだ)を打った。



ゆっくりと目を開ける。



すると、こちらを真正面からじっと見つめる人物と、視線がぶつかった。



眩いプラチナホワイトの髪に、透き通った白い肌。



目鼻立ちが整った、儚げな雰囲気の美男子。



「如月――……!」



私に名前を叫ばれてクスリと笑うその顔に、全身にぞっと悪寒が走るのを感じた。


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