身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。

第13夜

「日和、会いたかったよ」



白を基調としたplatinumの屋敷の総長室で、私の目の高さまでしゃがみ込んだ如月は、明らかに丸わかりな作り笑いを浮かべていた。



そんなこと全然思ってないくせに……。



手足を拘束されているせいで、体の自由がきかない代わりに、私は如月をギロッと睨み付ける。



「怖い顔するなよ。俺たち、これでもかなり日和のことを心配していたんだよ?」



「は? 嘘でしょ……」



「本当だよ。だって日和、さよならも言わずに急にいなくなっちゃったんだもん。platinum総出で連日探し回ったぐらいだし」



「へー、それにしては時間かかり過ぎじゃない?」



「仕方ないよ。天城の街に潜伏していたどころか、ここまで変わってしまったら、捜索が難航するのは当たり前だと思うけど」



八の字眉を作った如月は、私のミルクティー色の髪を一房すくいあげる。



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