身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
そんな将来性に期待出来る黒曜高校のエリート男子たちと合コンだなんて……紗奈ってば、一体どんな手段で参加にこぎ着けたんだろう……?



純粋にすごいと思うし、貴重な機会を私にも設けてくれようとしてくれる紗奈の気持ちはありがたいんだけど――……。



正直私は、恋愛にまったく興味が持てないし、彼氏も別に欲しいと思ってない。



恋に溺れた如月に、ノアの身代わりとして散々利用され、振り回され、傷付いた過去があるからだ。



出来ることなら、あんな思いをもう二度と味わいたくないから、恋愛に関係ありそうなことからはしばらく距離を置いていたい。



……でも、紗奈にはいつも仲良くしてもらっているから、今回は顔を出すだけってことで、OKしてあげてもいいかな。



これ以上断ったとしても、私が首を縦に振るまでしつこく誘ってきそうっていうのもあるんだけど……。



「しょうがない。ついてってあげる」



「そうこなくっちゃ!」



とりあえず、彼女に日頃の恩を返すってことで、今回だけは参加するとしよう。


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