身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
言われたとおりに大人しくしてると、一葉さんが私を拘束するロープを切ってくれた。



やっと手足の自由が利くようになったおかげで、猛烈な解放感が全身を駆けめぐっていくのはいいものの――、たぶん長時間ずっと同じ姿勢のままでいたせいだろう。



足元が覚束ず、床の上に上手く立てない。



「うわあっ⁉」



思わず足をすべらせて後ろに倒れそうになった瞬間。



一葉さんが私の背中とひざの裏を支えて、軽々と抱き上げてくれた。



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