身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
とにかく、今はそっとしておいて欲しい。



「紗奈、先に座りなよ」



「えっ? いいの⁉ ありがとー!」



とりあえず紗奈を先に女子側の席に座らせて、私はすみっこのスペースに浅く腰かける。



ここなら真ん中寄りの席より話を振られにくそうだし、すぐ横が出入り口だから、離席するのにいちいち誰かに断りを入れなくても済みそうだ。



というわけで。



できるだけ会話に巻き込まれる隙を与えないように、話しかけんなオーラを出しながらジュースをチビチビ飲んだ。



それから頃合いを見計らって、こっそりと女子トイレに行って、個室にこもる。



とりあえず、スマホをいじって時間を潰していると、ドアの向こうから話し声が聞こえてきた。


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