身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
コンコンとドアをノックすると、内側から答えるように、「入って」と声が聞こえた。



「失礼します……」



ドアを開けると、背の高い本棚と机とソファが置いてある書斎じみた部屋が視界に飛び込んでくる。



一葉さんはそこにある、ふかふかとしたソファに座っていた。



彼は私に気付くなり、ハッと目を見開くと、「日和……」と言ったきり言葉を失ってしまった。



やっぱり。こうなると思ってたんだよな……。



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