身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
現在の一葉さんは高校3年生。



暴走族はとっくに引退しちゃったけど、今もこの街を()べる帝王のような存在として、頂点に君臨し続けているんだそうだ。



「そうそう! ちなみに、『闇夜の帝王』の『闇夜』っていうのは、一葉さんの髪が夜の闇みたいな色をしているからなんだよ!」



「へー、そうなんだ」



紗奈たちの話を聞けば聞くほど、私の中の『闇夜の帝王』像からどんどんかけ離れて行く。



だって、『闇夜の帝王』だよ?



語感からして中二病的ラスボスやヴィラン的な存在かと思ってたけど、かなり優秀な功労者じゃん。



逆に何で私は今まであの如月の言葉を信用してたんだろ?



あいつにはこっぴどく騙された過去があるっていうのにね。



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