身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「ちょっ……⁉ いきなり何するんですか⁉」



「それはこっちの台詞だよ! 二人で何おっぱじめようとしてんのさ⁉」



何やら盛大な勘違いをしていると思しきイケメン男子は、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。



ふわふわとした金髪に、透き通った薄い水色の瞳。



背が高くて、はっきりとした目鼻立ちをしている上に、この街で黒曜高校ぐらい有名なご子息ご令嬢が通う白帝(はくてい)学園の白いブレザーの制服を着ている。



こんな狭い部屋の中に、おとぎ話の絵本に出てくるような王子様みたいなセレブ学園の生徒がいるなんていまいち信じられないけど、どうやら私はこの人のおかげで助かったらしい。



「俺は別に、ただ彼女が知り合いにそっくりな顔してんなーって見てただけです」



しれっとした顔で言い訳する眼鏡男子に、金髪男子「ふ~ん? そーお?」と腕を組んで、「怪しい……」と睨みを利かせる。


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