身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「あのー……私って、本当はここにいちゃいけない感じなんですか?」



おそるおそる片手を挙げてたずねると、大河が「ああ、聞いてましたか。すみません」と謝って、私に詳しく説明してくれた。



「ここは、俺たちの秘密基地というか、集会所みたいな部屋なんですよ。それで一応決まりとして、俺と理音さんと棗、あともう一人の方の4人しかここには出入りしてはいけないことになっているんです」



「そうなんだ……」



思ったとおり、どうやら私は招かねざる客だったらしい。



棗が私をここに運んだのは、やむを得ない状況だったし、仕方ないからとわかるけど。



いくら仕方のない理由があるからと言っても、やっぱりここにいちゃ駄目なんだろうな。



だったら私、もう帰った方がいいかな?



とりあえず、ベッドから降りようと、体にかかった布団をはいだその時。


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