身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。

platinumのアジト、通称『屋敷』だ。



屋敷の前にかまえる巨大なアーチ状の門の前にたどり着くと、なんだかどっと疲れが押し寄せてきた感覚におそわれた。



できることなら、家に帰りたい……。



でも、そうはいかないんだよな……。



しぶしぶ門のセキュリティを解除して、前庭を通って屋敷の玄関ドアを開ける。



今夜も私を出迎えてくれるplatinumのメンバーは一人もいなかった。



その代わり、廊下を歩いていると、閉め切られたドアのうちの１つから、騒がしい声と聞き馴染みのあるBGMが聞こえてくる。



またゲーム大会か……。



ここまで騒がしいと、彼らがドア１枚を隔てた所にいる私に気付かないのも無理はないか。



まあでも、いつものことだしな。と自分の中で折り合いを付けるけど。



ふと、『本当にplatinumの人間は誰も私に興味がないんだな』なんて、つくづく思い知らされてしまう。



連中が私に無関心なのは当然のことで、今更気にしたって仕方ないのに。



なんて自分に言い聞かせながら屋敷の中に入って、総長室がある３階への階段を上った。