身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「おはよう、日和」



「か、一葉さん……⁉」



なんと、ベッドの脇の椅子に座る一葉さんが、私の顔のぞき込んでいた。




「どう? よく眠れた?」




「は、はい。とても……」



昨日はたった1日のうちにいろんなことがあり過ぎて、疲れて切っていたからだろう。



夢を見るどころじゃないぐらいぐっすり眠っていた感覚があるし、おかげで頭がだいぶすっきりしてる。



それはまあ、置いといて。



何でさっきから一葉さんは、さりげなく私の顔に興味ありげな視線を送ってくるんだろう?



まるで昨日の夜、棗が至近距離でじろじろと私の顔を見ていた時にとても近いものを感じてドキドキして、心臓に悪い。



私としては、棗の方が一葉さんと顔の系統が近しいというか、特に目元がよく似ているのが気になるんだけど――……。


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