身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「……私、今すぐあれに乗らなきゃ駄目?」



私は他の女子たちに聞こえないように小さな声で、ひそひそと棗にたずねた。



「ああ。一葉がどうしてもってな。ほら、行くぞ」



「絶対に嫌」



悪いけど、一葉さんの頼みだろうと、嫌なものは嫌。



学内で悪目立ちしたり、誰かから怒りを買うような真似はしたくない。



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