身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「日和ちゃん、喉かわいてない?」



理音さんが、私を気づかって声をかけてくれた。



「まあ、言われてみればそうかもですけど……」



「水出し紅茶でいいなら用意するよ。ちょうど、それにぴったりな茶葉を持って来てるんだ」



白帝学園に通う理音さんが持って来た紅茶の茶葉なんて、きっと高級品だろうし、おいしいに決まってる。



「いいんですか⁉ いただきます」



「わかった。じゃあ大河、お願い」



理音さんに頼まれて、大河はすぐにテーブルの上に用意してある紅茶セットでお茶を淹れ始めた。



流石は執事。手際がいい上に、作業がとても丁寧だ。



あっという間に、大河が水出し紅茶を作って私に差し出してくれる。



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