身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
覚えてる。



心底つまんなくて、退屈なパーティーだった。



私はずっと如月の横にくっついてなきゃいけなくて、知らないガラの悪い不良たちにビビることなくニコニコ笑ってあいさつしなきゃいけなかった。



出された料理やデザートはおいしかったけど、まったく心から楽しめなかった。



そんなパーティーに、棗が来ていたなんて。



あの日はたくさんの人に会って自己紹介をしまくってたっていうのに、全然気付かなかった……。



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