身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
身なりに関しては、今のノアだけには言われたくなかった。



自分こそ、鏡を見てみなよ。



枕で押されて髪が乱れてるし、これ見よがしに彼シャツを着て現れたつもりだろうけど、ぶかぶかし過ぎて古着を着てるようにしか見えない。



だからこそ、ノアに直接文句の1つでも言ってやりたかったけど、ぐったりと疲れているせいでノアと喧嘩をする気にもなれない。



「仕方ないじゃん。どっかの暴走族に狙われてたから逃げてて……」



「え? 何? もしかして、自分大変でしたアピール?」



ノアはクスッと小バカにするように噴き出すと、私をギロッと睨みつける。



「いい? 日和。あなたはあたしの代わりなの。表向き総長の彼女のあなたは、platinumの弱点。だから、危険な目に遭うのは当たり前だってわかってる?」



「……わかってるよ」



「だったらいちいち文句言わないでよね。あと、身だしなみもちゃんと整えて。見苦しいし、なんだかあたしへの当てつけみたいでムカつくから」



「ノアー? 誰と話してんの?」


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