身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「はぁ……、疲れた……」



放課後。



紗奈と逃げるように入ったカフェのテーブル席に座った私は、大きなため息をついてぐったりとした。



「日和、お疲れー。今日は本当に大変だったね」



「本当だよ。誰かさんなんか、登校してすぐの私に尋問してくるしさ」



「も~っ、日和ってば。あたしはただ気になって、質問しただけだけで~……」



「…………」



私はテーブルの上のクリームソーダをストローで吸いながら、弁解する紗奈を穴が開くほどじーっと見つめた。



「ごめんごめん! 嫌だったんだよね! 謝るから、あんまり怒んないでよ。ねっ?」



そんな私の無言の圧力に耐え切れなかったのか。



紗奈は両手を合わせるなり、器用に片目をつむって謝ってくる。



……ったく。



とりあえず謝っとけば、すぐに許されると思ってるの。こっちには丸わかりなんだから……。


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